令和元年度上期関東・甲信越ブロック会議が開催されました。
去る7月16月(火)午後1時から、さいたま市北区のMCSハートフル株式会社において標記会議が開催されました。
最初に栗原会長があいさつされ、1)会員の皆様には、たいへんご支援、ご協力をいただいており、また、MCSハートフル(株)には会議の場と見学の機会を提供いただき感謝申し上げる、2)厚生労働省からの受託事業も3年目を迎えることができ、全重協の名前も広まってきたことから、会員が増えており、正会員だけでも300を超えるようになった、3)平成元年に「社団法人全国重度障害者雇用事業所協会」を立ち上げ30年経過した。先の総会に出席された方はご存じだが、精神障害者を含め広く障害を持たれている方々にスポットを当てる観点から、名称を来年4月から「公益社団法人全国障害者雇用事業所協会」とし、全重協の正式名称から「重度」という言葉をとって略称も「全障協」とすることが決まった、4)こうしたことから、会員の皆様には、全重協はすべての障害を持たれている方々を対象としていることを回りに周知していただきたい、といった話がありました。
続いてMCSハートフル(株)の親会社であるメディカル・ケア・サービス株式会社取締役総務部長の小松充様からあいさついただき、1)メディカル・ケア・サービス(株)は、認知症高齢者のグループホームを中心に事業を展開している、2)障害のある方々が障害のない人と同じく働ける社会を目指しており、本日の会議がその前進の一歩となることを期待しているとの話がありました。
その後、参加者が3班に分かれて、MCSハートフル(株)の従業員の方々の案内のもと社内を見学させていただきました。
同社は、メディカル・ケア・サービス(株)の特例子会社であり、印刷物のデザインから加工まで、webページの製作・管理、パソコンのセットアップ、ヘルプデスク、総務業務全般等を行っており、また、同一敷地内にグループホーム等のエアコンや施設内の清掃を専門に行う就労継続支援A型事業所のMCSハートフルA(エース)株式会社を有しています。
両社で働く障害者は43名(身体4名、精神7名、知的32名)で、たいへん熱心に業務に取り組んでおられました。また、個々人が自分用「自分手順書」を作成し、作業手順に配慮した倉庫内の機材の配置、事故防止のための床面の表示等、徹底した構造化による様々な工夫がなされている点も印象的でした。
見学後には、会社紹介ビデオ及び会社を取材した放送番組を視聴させていただきました。それに続いて、MCSハートフル(株)代表取締役社長の今野雅彦様から、1)当社は埼玉県障害者雇用総合サポートセンター等の支援を受けて2010年9月に設立された、2)2016年12月に当社から清掃グループを分離独立させ、子会社化して就労継続支援A型事業所であるMCSハートフルA(株)を設立した、3)「私たちの役割は職場を明るく元気にすること」と定めて、「「あいさつ」「笑顔」「そうじ」で職場を明るく、元気にします。」等を会社スローガンとしている、4)企業理念、企業スローガンは全重協の大山元会長の著書「働く幸せ〜仕事でいちばん大切なこと〜」に触発されて掲げたものである、5)「何故できない」は禁句であり、できることを伸ばすことが重要。どうやったらできるようになるのかを示すのが支援・指導員の役割であり、また、各自の技能をしっかりアセスメントするために格付け検定試験を半年に一度実施し、社員の名札の星マークで試験結果を表示している、6)マニュアル・手順書には、社員本人が作業上でつまづいた点を踏まえて作成する手順書、クオリティを平準化するための手順書、本人が安心できるようにするための手順書がある、7)産業医として精神科医を選任しており、また、精神保健福祉士及び臨床心理士を配置しており、ワーディングや項目数を工夫したストレスチェック項目を作成のうえ実施している、8)倉庫内の機材写真の掲示により、どこに何があるかわかるようにするなど、構造化が重要、9)グループホーム等の高齢者が施設に料金を支払い、それが給料となることを社員に示すことでモチベーションのアップにつなげている、10)出場任意のボウリング大会の開催やティーボールの大会への出場など余暇活動にも力を入れている、といった基本的な考えや具体的な工夫などについての説明がありました。このように、全重協の会員企業にとっても大変参考になる示唆に富んだお話を伺うことができました(今野様のお話の詳細についてはこちらの資料をご覧下さい)。
続いて本部報告として、1)先の通常国会で障害者雇用促進法が改正され、障害者の活躍の場の拡大に関する措置、国及び地方公共団体における障害者の雇用状況についての的確な把握等に関する措置が設けられた、2)厚生労働省からの受託事業として実施している障害者雇用相談コーナーの周知について、会員の皆様にもご協力いただきたい、また、3)会員の皆様ご自身も気軽に相談コーナーをご利用いただきたい、4)同じく厚生労働省からの受託事業として実施している障害者活躍企業の認証については、この6月から8月末まで申請を受け付けているので積極的に検討いただきたい、5)これまでのブロック会議や都府県支部会議のような地域毎の会員の集まりに加えて、今後は、A型や精神障害者、助成金といった特定のテーマ毎に全国の会員にご参加いただく研究部会を設けることを検討している、6)昨年度は、会員からの寄付が減ってしまったので、今年度は積極的なご寄付をお願いしたい、といった話がありました。