平成30年度上期東北ブロック会議が開催されました。
去る7月24日(火)午後2時から、ホテルJALシティ仙台2階会議室(宮城県仙台市)において、標記会議が開催されました。
会議は、加藤ブロック長(株式会社新陽ランドリー代表取締役社長)の進行により進められ、まず最初に栗原会長からあいさつがありました。
その際、栗原会長からは、1)6月の総会で会長に再選された。今後2年間よろしくお願いする、2)東北ブロックでは、加藤常務理事(ブロック長)と村田理事が再任されるとともに、新たに白石理事(株式会社チャレンジドジャパン代表取締役)が選任された、3)短時間労働の精神障害者の雇用率のカウントを0.5ではなく1とすることや、昨年度末で適用期限が切れることになっていた機械等の割増償却措置の延長について、全重協としてかねて国に要望していたが、これらの要望については既に実現している、4)それ以外の要望については、総会で承認された厚生労働大臣宛の要望書を総会の翌日厚生労働省に持参した、5)厚生労働省の研究会において、週20時間未満勤務の障害者への対応やA型への調整金支給の在り方、中小企業に対する納付金の適用範囲、さらには報奨金の支給基準等について検討が行われているが、こうした場においても会員の要望を積極的に伝えていきたいといった話がありました。
栗原会長のあいさつの後は、会員企業から近況報告があり、その中では、1)障害者の雇用を始めてから既に30年以上たつ中で、障害者の高齢化が進んでいる、2)障害者の高齢化に対応してB型の設立準備を進めている、3)グループ全体で雇用率を達成するのではなく、グループ各社が個別に雇用率を達成することを目指しているという話があった他、特例子会社の設立を目指している会員以外の参加企業からは、既に特例子会社を設立している会員企業の話を聴きたいという話がありました。
会員の近況報告の後は、本部報告ということで、厚生労働省からの受託事業の実施状況や栗原会長からも話があった厚生労働省の研究会における議論の方向性等について説明があった他、寄付については昨年度は過去に例を見ないほど増えたが、今後も全重協として会員のニーズを踏まえた活動を進めていくためには、そのための財源を確保する必要があることから、引き続き積極的な寄付をお願いするという話がありました。
本部報告の後は、参加者どうし障害者雇用に関する最近の問題意識を披露し合い、グループディスカッションを行いましたが、その中では、1)グループホーム等福祉施策における重度の概念と雇用施策における重度の概念を分かりやすく一つの指標に統合できないか、2)既に雇用している障害者が高齢化して、一般就労を続けられなくなった際の受け皿としては、A型よりもB型の方がいいのではないか、3)いわゆる「悪しきA型」に対しては、行政がもっと厳しく指導すべきではないか、4)A型やB型に対する取扱は県ごとに異なるが、もっと統一すべきではないかといった意見が出され、東北ブロックにおいては、障害者の雇用だけではなく、福祉的就労に対する関心も高いことが分かりました。
今回の東北ブロック会議については以上ですが、当日は会議に先立って、株式会社ポラリス様が運営するポラリス富谷センター(宮城県富谷市)の見学を行いました。
同センターは、就労移行支援と就労継続支援A型を行う多機能型の施設ですが、このうち就労移行支援においては、個々の障害者(精神障害者が多いそうです。)に専用のパソコンを貸与して、エクセルやワードの訓練を行う他、就労に必要なコミュニケーション訓練やビジネスマナー訓練を行うことにより、平成27年2月の設立以来、10名定員で4名の障害者の方々が一般就労に移行しているそうです。
また、就労継続支援A型においては、定員10名に対し現在6名の障害者の方々が畳の見本帳作成やゲームセンターで使うボールの洗浄、通信販売商品の検品作業の他、業務日報作成や記帳の代行、さらにはWeb制作やWeb更新作業といった業務を行っているそうです。
同社代表取締役の橋本展行様のお話では、1)これらの業務のうち特にWeb制作については、1件当たりの売り上げが高く、やりきった後の達成感が大きい、2)Web更新作業については短時間で終わる一方で、毎月保守料が入り、固定収入につながる、3)指定の方法で写真などの必要なデータをもらいながら文書を作成する業務日報作成代行はパソコンでの書類作成が苦手な方でもできる、4)記帳代行はスキャンすれば終わりなので、作業としては簡単ということでした。
また、以上の業務の獲得については、1)代表取締役である橋本様自らが行う営業活動の他、2)自社のWeb(ホームページ)や3)地域の広告誌を通じて行っているそうですが、最近は2)や3)の割合が少しずつ増えているそうです。
ただ、こうした受注業務だけに頼っていると、受注がなくなれば障害者の仕事もなくなってしまうので、そうしたことにならないよう、新たな宮城県のお土産となるようなキャラメルの製造・販売といった自主事業も準備しており、県内の菓子製造を行う就労継続支援事業所と連携して進めているそうです。